写真左から芥川、右から女瀬川が合流してくる地点の中洲を利用した津之江公園(下図1)。運動公園として利用されています。
その右、女瀬川側堤防の外にあるこの場所(下図2)。元々は府営住宅地でした。ここがMBSニュース「Voice」の人気コーナー「憤懣本舗」で取り上げられました。私は残念ながらその放送を見ておりませんが…、「3万2千年に1回の淀川の洪水」を想定して、ここに500m38億円の「スーパー堤防」を造るのは無駄ではないかという内容で、30分の1の費用で矢板やセメントで補強する「ハイブリッド堤防」を対案として挙げています。
スーパー堤防というのは、堤防外側の法面を高さの30倍にするものです。例えば、堤防の高さが5mなら法面は150m。
写真をよく見ると分かるのですが、中央左寄りに階段があって、その左側は既にスーパー堤防化されています(墓地があります)。
この場所、河川管理境界があるのです(下図3)。前の記事は「大阪府管轄」の「防災ステーション」でしたが、こちらは「国土交通省管轄」の「スーパー堤防」計画です。その差約1.2km。
ここで私が真っ先に感じるのは「そもそもここ淀川ちゃうやん!管轄上そうしたいだけちゃうんか?」という事です。上で「3万2千年に1回」と述べましたがそれ以前に、淀川の背水が2km前後、最大2.7km(城西橋)まで芥川を逆流して堤防を壊す可能性はどれ位あるのか、と。確かに芥川下流の堤防は無茶苦茶高いですが、それでももっと確率が低くなるような気がしてなりません。巨大河川敷たる津之江公園もクッションになる筈ですし。
追記注:芝生付近で女瀬川が決壊した後、淀川の逆流がそこに流れ込んだ事例は1953年(昭和28年)にあります
さらに間抜けと思いたくなるのは、計画地の下流で新しく分譲住宅が売られている事です(下図4)。特に右側の道路の先に、新規分譲地がまとまってあります。下流がこれでは、無計画極まりないです。
スーパー堤防が全て計画通りに進むとすれば、津之江町2丁目の城西橋までの芥川右岸(下図5)も再構築対象となり、
芥川左岸下の新川桜堤(下図6)も全て潰されます。
洪水が起こって文句を言っても遅いので然るべき整備は必要でしょうが、やはり「縦割りの論理」では無く、根拠となる数値を明示して欲しいですね。
ただ個人的には、計画地付近の堤防は歩行者の安全が確保されてないので、その分の微拡張くらいはしてもいいのでは無いかなと思いますが…。
堅い話ばかりでもなんなので、最後に12月10日「今年最後の?」芝生八幡大神宮(下図7)の遅い「紅葉」で締めましょう。
ただここも堤防から100mほどしか離れてなく、計画上はスーパー堤防の犠牲になると思われます。
場所1〜7の概略図。山吹色が、スーパー堤防全体の計画対象地。
※基本的に「女瀬(にょぜ)」は川名、「如是(にょぜ)」は明治以降の地名。
なお、こことは別に枚方大橋北詰東側の淀川右岸(大塚町)ではスーパー堤防による区画整理が進行中です。機会があればそこも記事にしようかなと思っています。